ロプロ(日本保証・武富士)から債権譲渡通知や督促状・催告書が届いたらどうしたらいいの… 注意すべきポイントと対応方法を解説しています。
株式会社ロプロ(旧社名:株式会社日栄)は、消費者金融最盛期(90年代後半~2000年代初頭)の頃に、最も隆盛を極め、取立ての苛酷さから業界に大きなインパクトを与えた消費者金融業者「武富士」を前身とする債権回収会社です。
債務者に対する「武富士」の取立て行為は、実に強烈なもので、「金が返せないなら内臓を売れ!目を売れ!」などのヤクザまがいの違法で強引なものでした。
武富士は、過払い請求の増加などによる業績と 資金繰りの悪化から、2010年に会社更生法を申請し倒産しました。
その後、2012年3月1日に株式会社武富士の消費者金融事業は『株式会社ロプロ(現:株式会社日本保証)』へ承継されました。
創業者の松田一男は、銀行勤務などを経て、1963年に「金商」を創業。
1970年3月に中小企業に対して無担保の小口・短期融資を行う株式会社日栄を設立する。
1991年5月に日本信用保証株式会社(100%出資の子会社)を設立。
2002年11月、商号を「ロプロ」に変更する。
2006年4月、日本信用保証株式会社(100%出資の子会社)を吸収合併。
2010年9月、会社更生計画に基づき「Jトラスト株式会社」が全株式を取得する。「Jトラスト株式会社」の連結子会社化
2010年12月、Jトラストフィナンシャルサービス株式会社(Jトラスト100%出資子会社)を吸収合併
2012年3月、更生会社株式会社武富士の消費者金融事業を吸収分割により承継
2012年7月、株式会社たかせん(当社100%出資子会社)を吸収合併
2012年9月、株式会社日本保証(Jトラスト100%出資子会社)を吸収合併し、商号を「株式会社日本保証」に変更。
債権回収会社(サービサー)とは、弁護士法の特例として金融機関等から委託を受けまたは譲り受けて、特定金融債権の管理回収を行う株式会社のことを言います。
1999年2月に不良債権処理の促進等を目的とする「債権管理回収業に関する特別措置法」(通称:サービサー法)が施行されました。
これにより、従来は弁護士のみに許可されていた債権回収業務に対して、法務省より営業を許可された法人であっても参入できることになりました。
債権回収会社(サービサー)は、債務者から債権が回収できない(借金が返済されない、料金が支払われない)場合に利用されます。
債権回収会社に債権譲渡をされた場合、その後債務者は債権回収会社とやり取りを行うことになります。
そのため、督促状や取立ての連絡などは、この債権回収会社(サービサー)から来ることになります。
最近は、携帯電話の割賦契約をはじめ、様々な形の料金未納や未払いなどが増えているため、債権回収会社(サービサー)の役割が一段と大きくなっています。
委託
金融機関が債権の管理回収業務をサービサーに委託すると、債権者である金融機関に代わり、債権回収会社(サービサー)が交渉窓口となります。
債権者は委託者である金融機関のままです。
債権譲渡
債権譲渡が行われると、債権が元々の金融機関から債権回収会社(サービサー)に譲渡されることになるため、サービサーが債権者となります。
債権譲渡後は、債務者とサービサーがやり取りをすることになり、サービサーに対して返済を行います。
銀行や消費者金融、クレジットカード会社などからの借金を一定期間に渡って滞納すると、その借金を不良債権であると考えます。
不良債権の回収が困難であると考えた場合や、回収費用がかさみ利益率が低くなると判断した場合は、債権回収会社(サービサー)に債権回収を委託したり、債権自体を譲渡することになります。
債権譲渡とは、売掛金や貸付金などの債権を一個の財産として譲渡、移転する行為です。債権回収会社は、金融機関から焦げ付いた不良債権をまとめて購入します。これを金融機関による不良債権のバルクセール(まとめ売り)と言います。
不良債権の価格は、債権の0.1~5%程度の価格で売買されていると言われています。
たとえば100万円の不良債権の場合、1,000円程度で購入する仕組みです。
不良債権額がどんなに高額なものであっても、上記のパーセンテージとなっているようです。
通常、債権譲渡を受けた債権者(債権回収会社)は、譲渡債権者(銀行、消費者金融、クレジット会社)との連名で債権譲渡通知を債務者へ送付します。
そもそも債権回収会社は、債務者が滞納している借金を全て回収できるとは考えていません。
なぜなら、このような安価で買い取った不良債権は、銀行や消費者金融、クレジット会社が自社で回収できないと音を上げた程の回収困難なものだからです。云わば紙切れ同然のものなのです。
債権回収会社が債務者に対して督促状を送付するのは、当然支払いを促すためですが、数いる債権者の中のごく一部でも返済してくれれば儲けが出るのです。
たとえば、債務者に対して督促状を1000件送った場合、その内の2、3件でも満額返済してくれれば利益が出る仕組みなのです。
このように、元々金融機関が回収を諦めた不良債権であるため、督促状が届いても真っ正直に返済をする必要はありません。
債権回収会社(サービサー)は、債権回収業務のプロです。そのため、あらゆる手段で時効の中断を図ってきます。
時効成立前の請求はもちろん、すでに消滅時効が成立している債権であっても請求してくることがあるため注意が必要です。
もし督促状が届いても、すぐに異議申し立てを行うことは避けましょう!
異議申し立てを行うと、債務の承認に該当するため、進行していた時効期間がリセットされてしまいます。これを「時効中断事由」と言います。
時効の中断については次の項目で説明を行います。
債権譲渡をされた場合でも時効の進行に影響が及ぶことはありません。
通常、借金を最後に返済した日から5年が経過していた場合は、消滅時効が成立することになります。
債権回収会社は、消滅時効期間が経過した債権に対しても請求を行います。
この請求に応じて小額でも借金を返済してしまうと、債務を承認したことになるため、時効は中断します。
時効が中断してしまうと、それまで進行していた時効期間はリセットされ、新たに10年間の時効期間が進行することになります。
もし、ロプロ(日本保証)などの債権回収会社から債権譲渡通知や督促状が届いた場合は、くれぐれも直ぐに連絡することは避けて下さい。
あなたの借金はすでに時効が成立条件を満たしているかもしれません。
ただし、時効の成立条件を満たしている場合であっても、自然に時効が成立し借金の返済義務がなくなる(借金がチャラになる)わけではありません。
借金の返済義務を免れるためには、「消滅時効の援用」を行う必要があります。
消滅時効を援用することで、時効の効力は、その起算日にさかのぼって発生します。(民法第144条)、時効の効力は遡及効に従い起算点に遡る(民法第144条)ため、返済義務は消滅します。
通常、消滅時効の援用は「内容証明郵便」を通じて債権者に送付することになります。
ロプロ(日本保証)から督促状などが届いたら、まずは専門家に相談するようにしましょう!あなたの借金はすでに時効になっているかもしれません!?
現在、全く関係のない第三者が「債権譲渡を受けたので、借金を返済してください」などという文面で通知を行う債権譲渡詐欺が横行しています。
法務省から許可を得た債権回収会社の業者名に、きわめて類似した業者がこのような詐欺を行っているようですが、もし届いても安易に連絡を取るのではなく、まずは警察や法務省、弁護士・司法書士などの専門家に相談するようにして下さい。